有害化学物質を避ける家づくり

住宅の化学物質を削減する

 

本の住宅は気密性が高くなり、エアコンで快適な室温に保つようになった一方で、湿気の多い日本ではダニやカビが繁殖し、それを化学物質で押さえ込むようになりました。

2003年にはシックハウス法によって喘息やアトピー等アレルギーの原因の多くがシックハウスだと分かってきました。しかしその後も被害例はなくならず、シックハウス法はもちろん、厚生労働省のガイドラインの数値を下回る住まいでも、被害例が報告されています。

化学物質を混入させないための管理 ー素材・トレーサビリティの確認

防腐のためや、扱いやすくするための化学物質が入っていないか、下地や施工時の接着剤なども合わせて成分を確認します。また、運搬時や施工中、引渡し前の清掃時などに化学物質などが混入される状況にないかを確認します。
法の施行後も症例がなくならない要因として、規制をクリアするために代わりの化学物質が使われるようになったとも言われています。また、安全とされている「F☆☆☆☆」の建材も、ホルムアルデヒド放散量がゼロではなく、状況によっては数値が規定を超えることもあります。

自然素材の家づくり 

健康に気を配った住宅をつくる決め手は金属、プラスチック、化学合成接着剤、防白蟻剤等の工業製品を避けて、できる限り自然素材を使うことです。自然素材には工業製品にはない魅力があります。感触も柔らかく、見た目にも心落ち着く感性的な魅力だけでなく、最近では自然素材の性能が科学的に評価されるようになりました。比熱による表面温度の違いや熱の吸放出、水分の吸放出による温湿度調整機能などが室内環境を快適にしてくれる可能性や、露点温度以下になりにくく、結露やカビを防ぐ可能性も期待されています。また、自然素材は廃棄した時に環境負荷を与えず、火災時にも有害なガスを発生しない等の利点もあります。

自然素材利用にあたっては、そのような性能面の利点を生かせるようにすること、成分や健康影響を確認することが大切です。