みなさま、こんにちは。
小野寺です。
梅雨ですね

四季の移ろいに心を寄せる、そんな余裕が欲しいものです。
さて、布施からのバトンを受け継ぎまして、私もくりこまツアーについて書かせていただきたいと思います。
布施ブログ「皮むき間伐ツアー2018inくりこま~子供が成長する自然体験~」
私は、設計者の視点で書かせていただきます。きっと長くなりますが、お付き合いください。
私は大学で建築を学び始めました。つらい課題漬けの毎日に「やめてやる!」と思ったことなど数知れず。素晴らしい先生や友人と出会い、刺激をもらいながら、なんとか食らいついた学生時代でした。
そのときからずっと、私は「建築畑」に身を置き、生きてきました。
そして現在も、図面を描いたり、模型を作ったり、建築基準法令集とにらめっこをしたり、事務処理をしたり、という日々です。東京のデスクで過ごすデイタイムは、あっという間に過ぎ去ります。
やっていることは、学生時代と変わらないかもしれません。
しかし、明らかに違うのは、「社会とつながった仕事をしている」という自覚を持つことができた点です。
日本にたくさんある杉の木を、適切な方法で伐採し、乾燥させ、特性を活かした方法で使わせていただく。そのために、山から建築現場に至るまで、それぞれの場所でそれぞれの能力を発揮し、仕事をする。設計者や工務店だけではなく、山で働く方々にもお金が支払われるようにする。
私が建主様の御宅を設計することで、建主様の暮らしだけではなく、森にまで想いを巡らせることができる。
これは、とても幸せなことです。
一方で、日々の業務に追われていると、その幸せのことや森のことが、薄れていくこともあります。情けない話です。
年に2回のくりこまツアーは、それをはっきりとしっかりと思い出させてくれる、戻るべき場所なのです。
あるときは眉間にシワを寄せながら、あるときはドキドキワクワクしながら、図面や模型と格闘する。これは、私がずっとやってきたことで、とても大切な時間であると信じています。
でも、やっぱりそれだけじゃないんですね。
木は山で生きています。その山で、まさに命がけで働く方々がいます。そこでは、馬も牛も共存して、暮らしを営んでいます。
図面に「柱 120mm×120mm」と描いただけで、空から柱が飛んできて、勝手に建つわけではないんです。
山に生きている命をいただき、私たちの住まいは建てられます。ツアーでは、まさに、命をいただくという体験を通して、多くのことを学ぶことができます。
「百聞は一見にしかず」という言葉がありますが、「百見は一体験にしかず」という言葉もあるそうです。
そして、絶対に日々の業務に活きます。これからの建築家としての生き方に、必ず活きます。
そう、建築家こそ、設計者こそが、参加してほしいツアーなのです。
建築家が木をたくさん使う図面を描かないと、なかなか使われないんです。せっかく取得した国家資格をフルに活用し、木を使おうじゃありませんか。
11月には伐採ツアーを開催予定です。建築家の方々のご参加をお待ちしております!
建築家は山に行け。
見せましょう、建築家の底力を。
やればできるんだ。